民間療法のススメ ~インドで風邪をひいたなら~
季節の変わり目は風邪をひきやすくなるとよく言われますが、ここインドも例外ではなく、気温の上がり始めるこの季節には風邪をひきやすくなります。
熱が出たり吐き気がしたり、と完全に風邪をひいてしまったら病院に行ったほうが良いですが、ちょっと喉が痛かったり少し咳が出る…という程度だと、病院に行くのは様子見の人も多いんじゃないでしょうか。
こんな時、日本だと「緑茶でうがいする」「喉にネギを巻いて寝る」「蜂蜜漬けの大根を食べる」など、おばあちゃんの知恵袋とも言うべき民間療法がありますよね。実際、私は子どもの頃によく蜂蜜大根を食べさせられていました。(味はノーコメントです)
じゃあ、インドでの風邪のひきはじめはどうするのか?そんなインドの民間療法について、つい最近まで風邪をひいていたOKPが調査してみました。
咳には塩が効く!?
知り合いのインド人に「最近、夜になると咳が止まらない」と相談したところ、「お湯に塩を溶かしてうがいすると良い」とアドバイスを受けました。日本だとうがい薬を常備している家庭が多そうですが、インドでうがい薬というのは少ないのかもしれません。代わりに塩水(お湯)でうがい。たしかに、うがい後は少し咳が落ち着いたような気がします。
さらには、「塩をつけた生姜を齧って、生姜汁を喉にしみこませるように飲む」というアドバイスをくれたインド人も。
生姜が喉に良いのはわかりますが、やっぱり塩が大事なんでしょうか。これも試してみましたが、生姜汁をダイレクトに飲み込むのは辛すぎるし、さらには塩をつけすぎたのか塩辛すぎて、逆にむせてしまいました。慣れていないため、適量に調整するのが難しいようです。
ターメリックは万病に効く?!
相変わらず止まらない咳に悩んでいると、別のインド人がこんなアドバイスをくれました。
「夜寝る前に、ホットミルクにスプーン1杯分のターメリックを溶かして飲むと良いよ」
ミルクにターメリック(ウコン)という組み合わせに、本当に飲めるのかこれ?!と不安な気持ちになりますが…。いざ試してみると、普通のホットミルクとしてすんなり飲めてしまいました。ここまで飲みやすいとちょっと拍子抜けです。そもそもターメリックには他のスパイスのような強い味や香りがないようで、少量を溶かす程度なら味はほとんど変わらないようです。
別のインド人も、「カモミールティーにターメリックを混ぜる」という方法を教えてくれました。カモミールティーが手に入らなかったためこちらは試していませんが、とにかくターメリックは喉に良いようです。
体を冷やす食べ物とは
体が弱っているときは食べ物や飲み物にも気をつけたいところ。喉が痛くても食べやすいヨーグルトなどが欲しいところですが…。
「ラッシーやヨーグルトは体を冷やすからダメ!飲むならお湯かチャイかホットミルク!あと、生姜を使った食べ物を食べなさい」
生姜は喉に良いだけでなく体を温める効果もあるので、風邪のひきはじめにはベストな食べ物なんだとか。喉の痛みや咳はお腹や体の冷えが原因、だから体を温めれば治る、と言うインド人もいました。
それにしても、ヨーグルト食べちゃダメ、アイスもダメ、で食後の楽しみが減ってしまうのは個人的にかなりツライです。
最強のチャイを考えてみた
塩、生姜、ターメリック、ホットミルク…。いろんなインド人に教えてもらった咳に効く材料を前に、私はひらめきました。
「そうだ、これでチャイを作ってうがいしよう!」
日本なら緑茶でうがいしろと言いますし、インドならチャイでうがいしたら良いんじゃないかしら。というわけで、出来上がった最強のチャイを使ってうがいしてみました。
これで喉は完治間違いなし!では、うがいします!
…
………
うーーーん。。。。
緑茶と違って口の中がさっぱりしないので、なんかモヤモヤします…。うがいした後にもう一回水で口をすすぎたくなるような。でもそれじゃあチャイでうがいする意味ないし、やっぱりチャイは普通に飲んだほうが良いみたいです。(というかこれ塩入れすぎちゃって美味しくない…。)
それにしても、話を聞いてみると、インドのおばあちゃんの知恵袋は日本のおばあちゃんの知恵袋と似ているなあと感じます。いろいろ試した中でターメリック入りミルクが特に咳を和らげた気がしますが、これを教えてくれたのはご近所に住むおばあちゃんでした。今ほど簡単に薬が手に入らない時代から台所に立ってきたおばあちゃんたちは、食材やスパイスの効果を活かして、家族の健康を守ってきたんでしょうね。
ところで、酒好きの私はお酒の飲みすぎで喉風邪を悪化させてしまい、民間療法の努力もむなしく結局は病院へ行くことになりましたとさ。みなさん、風邪のときのお酒はほどほどに!