楽しすぎて! ~インドっていいなぁと思った1コマ~①
インドのどこが好きなんですか?
インドに長年関わっているとやはり多くの人に聞かれます。
「インドに惚れたんですね?」
「インドのどこをそんなに好きになったんですか?」
「日本に帰りたくはないのですか?」(たまに帰っています。)
そういった際に多くの場合は
「まぁ、縁があるんでしょうね。」
と、濁すような形で答えてしまいます。
実際縁だなぁと思いますしね。
やれ、母がヨガの先生だ、
やれ、高校の担任の先生がやたらインド好きだった
やれ、大学のサークルでもインドプロジェクトをすることになったなど。
ただ縁と一言に言っても、実際は多くの断片的な出会いや小さいつながりが積み重なって今たまたまインドにいて、これからもたまたまインドにいることになるのかもしれません。それを全部は説明できないので「縁があるんでしょうね」みたいな答え方になります。
ただ実際に「インドのどこが好きなんですか?」みたいな質問を受けたときに思い出すシーンがいくつかあります。今まではお酒の席のネタなどで話していただけですが、せっかくなのでまとめてみようと思います。
インドっていいなぁ~と思った「一コマ」
第一弾は「楽しすぎて!」です。
2011年の2月にプリーで開催された日本人カップルの結婚式での一コマです。更に数年前にインドで出会い、プリーのサンタナ・ロッジでお付き合いを始め結婚した純ちゃん・アフロさんカップル。せっかくだからということで結婚式をインドでやっちゃったんです。
インドや二人が旅行中に出会った友人たち・お友達も集い、インド式のパレードと式、そして日本式の二次会。連日ミーティングやら準備やらで大忙しで、もちろん大盛り上がりの数日間でした。
音楽隊。かける曲はもちろんインドのアップテンポな曲たち。
新郎新婦はこの車の中から見守る。
結婚式のスタートは音楽隊にひきつられる形でのパレードです。爆音をかけつつ踊りながら練り歩きます。純ちゃん・アフロのお友達以外にもその場に居合わせた旅行者やホテルのスタッフ、街のインド人なども混ざってきます。
最初は踊ることに抵抗があり我々は見てばかりです。踊っているインド人に促され手を引っ張られ、最初はいやいやだった日本人たちもいつの間にかステップなんか何のその思いっきり踊ってくれます。
ボリウッドソングに合わせて踊る踊る。
インドでこんなことになるとは思わず、皆笑顔です。
日本の曲で最高潮に踊りまくる
参加者全員が踊り始め盛り上がってきたことろで、事前に渡しておいた日本の盛り上がれるような曲をかけるよう楽隊にお願いしました。「easy do dance(TRF)」「夏祭り(Whiteberry)」「小さな恋の歌(モンパチ)」「終わらない歌(the blue hearts)」など。
実際これらの曲がかかると、
日本人たちの盛り上がり更にはうなぎのぼりです。更に、それにつられてかインドの人たちも、曲がわからなくても思いっきりノッテくれます。インド人も日本人も旅行者もスタッフ誰でも入り乱れて踊り狂います。
号泣の理由
特に最高潮だったと思うのはThe Blue Heartsの「終わらない歌」がかかった時間でした。この幸せな結婚や友情が終わらないように、と皆で祈っていたんじゃないでしょうか。私も感動しながら写真撮ったり踊ったりしていて、ふと隣をみると号泣している人がいました。
Go君でした。彼も新郎新婦の親友で熱く優しい男なのですが、ともあれとんでもなく号泣しています。この混雑、しかもその人たちが動いている状況。本気で誰かに足を思いっきり踏まれたとか肘鉄を食らったとかありえそうです。
心配して
「Go君どうした?大丈夫?」と
声をかけると。
返ってきた答えは何と、
「た、楽しすぎて!!!!」
でした。と涙声で絞り出してくれました。
涙をこれでもかと流しながら楽しすぎて泣いてしまっていたGo君。友人の結婚式を盛り上げるために、はるばるインドにまで来て毎日準備をやってきた。そしてパレードでの楽しすぎての号泣。とめどなく涙は流れていました。
あの時の表情と声は忘れることはないかと思います。
あんなに美しい涙はそう見れるものではないでしょうね。
Go君をそんな気持ちにさせるのは、純ちゃん・アフロさん達の人徳があってこそでもあります。この二人のためだったからあれだけ人が集まり、あれだけの盛り上がりになったんです。
インドだからでもあるかもしれない
そして、同時にインドだったからということも大きいのだろうと思います。同じことが日本でできたかどうかは怪しいかもしれません。
最初はサンタナ関係のスタッフの人たちが盛り上げてくれていました。当初は仕事という側面もあったかもしれません。でも完全に途中から我を忘れていました笑
そしてどんどん町のインド人が巻き込まれてくれました。最初は数人しかいなかったインド人たちがどんどん膨れ上がって目的地のホテル・サンタナに着くころにはとんでもない数になっていました。
まさに「踊る阿呆に見る阿呆」です。そしてインドにはどうやら「踊る阿呆」が多いようです。映画館んで踊りだす人もいますしね。まぁ、そういう人だけ寄ってくると言っても良いのでしょうが。
とんでもない爆音を流すことが許されるのもあるでしょう。見ず知らずの外国人の結婚式に呼び寄せられて勝手に踊って盛り上げてくれる。そんなインドの方々がいたからこそでもあるんでしょうね。
こんなことを考えたとき、インドいいなぁと感じているんです。
「楽しすぎて」の号泣。いいものです。