インド学校紹介①【マザーベイビースクール】

みなさんナマステ!
本日は、インドはバラナシにある学校を紹介したいと思います。

【マザーベイビースクール】

マザーベイビースクール

マザーベイビースクールは、NPO法人オンザロードが運営するフリースクールです。
作家の高橋歩さんと83人のボランティアの方々の手によって、2008年に開校。学費はすべて無償で子どもたちに教育を提供しています。
通常授業の日は毎日、学校見学のボランティアの受け入れをしています。

【場所】インド共和国ウッタルプラデーシュ州バラナシ市ラームナガル村(バラナシ市街からガンジス河の対岸)
【生徒数】約40人(幼児クラス~5年生)
【教員】インド人教員4名(掃除などのお手伝いをしてくれるインド人スタッフ1名)
【日本人駐在員】1名(林 寛与・写真右)
【指導教科】ヒンディー語、英語、算数、理科、社会、図工、パソコン
【特別授業】学校見学に来た方が先生になり、授業を行うことができる
【HP】https://otr.or.jp/project/india.php

実はこの学校は、私が10ヶ月間インターンとして活動していた学校です。
学校運営のお手伝いや特別授業、子どもたちと日本語の勉強などなど、様々な経験をさせていただきました。

マザーベイビースクール
授業終わりの子どもたちとの1枚。
私に頭を抱えられ厳しい顔をしているラグニーは、マザーベイビースクール1のおてんば娘。
特技は、変顔です。

ラグニー変顔
あまりの豪快な変顔に、躍動感が(笑)

ラグニー
しかしみんなの前に出ると、急に恥ずかしがり屋になるかわいい一面も。

そして、マザーベイビースクールの一番特殊なところは、特別授業です。
学校見学に来た人が先生になって、子どもたちに授業をします。科目も何も問いません!好きなこと、得意なことを子どもたちに教えてあげ、子どもたちの視野を広げてほしい、そんな想いからこの授業ははじまりました。
縄跳びやサッカーなどスポーツをする人、自分の職業の話をする人など、わたしも様々な特別授業を見てきました。

かぶと作り
この日は、みんなで大きなかぶとを作り、日本の行事について学びました。

そして何よりもこの学校は、校舎からすべて手作りです。
インド人大工さんと一緒に、日本から来た80人以上のボランティアの方々が、真夏のインドで汗水流して作ったものです。
この学校の歴史を皆さんにも知ってほしいので、HPからの引用文を載せます。

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子どもたちの将来に光を

バラナシはガンジス川が流れるインドでも有数の観光都市です。しかしマザーベイビースクールのあるガンジス川対岸のラームナガルという町は、貧困層が多い地域。親の職業を継ぐ前提で、貧困から抜け出せない環境の下、学校に行けない子どもが多い現状があります。そこで学費を無料とし、国際的感覚を養うことで、将来の職業の選択肢を広げられるような教育を行っています。

マザーベイビースクールが生まれたストーリー

旅をし、見知らぬ土地で見知らぬ人と出会うなかで、
楽しみながら、それが誰かのために役にたつとしたら。
そこで得る感動を多くの日本人と共有できたら。

2007年7月、高橋歩との二人旅でのこと。

マルコと名乗る男は身長150cmほど、ずんぐりした黒い肌。俺たちが宿を取ったガンジス沿いのゲストハウスの雑用係で、チャイや朝飯を部屋に運んだり洗濯をしてくれたりとかいがいしく世話を焼き、俺たちはすぐに打ち解けました。

「家族を紹介する、家に来い」と半ば強引に連れて行かれた先は、入り組んで曲がりくねったバラナシ名物の細い路地の奥のほう。貧乏長屋に6畳ひと間、昼でも陽が射さない穴倉のような部屋。奥さんに一番上が小学生くらいの子供が3人、折り重なるようにして暮らす。奥さんを指してマルコはこう言ったのです。

「彼女はマザーベイビー、俺の奥さんじゃない。この3人も彼女の子供じゃない。彼女が道で拾ってきて育ててる。彼女の夢は貧乏な子供たちの学校を作ること。俺はそれをサポートしているんだ。稼いだ金はぜんぶ彼女に渡す。稼ぎが悪いから、今は3人しか面倒見れないけどな」
マルコはポケットから財布を取り出し、開いて逆さに振ってみせると、わずかなゴミくずだけが舞い落ちました。

ちょっと驚いた。まずマルコが告げた現実に対して。それを子供たちの目の前で話す、と言うことに対して。いくら子供たちが英語が出来ないとはいえ、ニュアンスくらいは伝わるかもしれないし、日本だったら「実はね」と声を潜めてささやくシリアスな話。

へぇ、学校かぁ。それはいくら掛かるんだい? そうたずねるとマルコは「土地が3000ドル、建物が3000ドル」と即答したのです。
6000ドル、(当時のレートで)約70万円。つまりそれは10万円出すヤツが7人いりゃあいいってことだろ。それくらいならできるよな、もうここに二人いるわけだし。
そんな思い付きを告げると、俺も今それを考えてた、と歩は言いました。

翌日、マルコとマザーが学校をやりたいというガンジス対岸のビレッジへ。
のどかな田園風景にリキシャを停めると、わらわらと子供たちが駆け寄ってくる。カメラを向けると大騒ぎ、首も座らない赤ん坊やら嫌がる小ヤギを抱えて「僕を撮れワタシを撮れ」と押し寄せる。マルコの一喝で一瞬静まり返るも、しばらくすれば元の木阿弥。とにかくウザいほど元気がいい。
どうせなら3階建てにして、一階は学校、上階はゲストハウス。世界の旅人が泊って子供たちになにかを教え、マルコに宿代を払えばそれが運営費になるだろう。夢は大きく膨らみます。
日本に帰ってそんな話を友達にすると、いいねぇノッた! と即答するヤツがいて、だいじょうぶかよソレ騙されてんじゃねぇの? と眉をひそめるヤツもいた。確かに、騙されているかもしれない。でも10万円で買える夢としては、宝くじよりはるかに楽しい。なによりバラナシにいつでも行ける部屋が出来るんだぜ!

2008年5月10日から一カ月にわたり、のべ83名の日本人ボランティアがバラナシに集まり、レンガを積んで建物を作りました。
航空券を自腹で購入してプロジェクトに参加し、気温40度を大きく超える灼熱の中、膨大なレンガを運びコンクリートをこねて建物を作った日本人ボランティアたちの熱い気持ちと根性。異国の民との深い交流。地獄のようであり、同時に夢のような一か月で2階建ての建物が完成したのです。

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マザーベイビースクールは、2人の日本人男性と、1人のインド人男性の偶然から始まった奇跡の学校。

開校から8年、今までマザーベイビースクールに訪れたボランティアの人数は2000人以上になります。
毎日楽しそうに学校に通う子どもたちと、熱血教員たち、そして誰よりも優しく時に厳しく子どもたちに接し、6年間学校を守り続けている現地駐在員のひろよさん。
インドの現状と、子どもたちの未来のために。そして、自国日本を見つめなおすきっかけに。ぜひ1度、訪れてみてください。