インドで格安な牛肉を食してみたら・・・

インド、牛肉

インド、牛肉

ヒンドゥー教徒が8割にのぼるインド。そしてそのヒンドゥー教徒にとって牛は神聖な動物であり食べるなんて以ての外!ということは多くの日本人が知っていること。ではインドではどこでも牛肉を食べることができないかというとそんなこともない。人口の2割とはいえ、12億を超える人口規模であり少数歯とはいえムスリムやクリスチャンで牛肉を食す人はいるしそうした人向けの市場もある。最近、ビジネスでインドに来る人向けにムンバイにおいては牛ステーキ専門店もオープンしている。

インド、牛肉レストラン

インド、牛肉レストラン

まぁ、ただそういった裕福な外国人向けのステーキはもちろん値段も法外である。では、お手頃価格でビーフを食すことはできないのか。実は例えばコルカタではそれが可能だという。Oly Pubというお酒が飲めるレストランでビーフステーキが手頃の値段で食べられるという。パークストリート沿いなのでさダルストリートなどをよく知っている人なら行きやすい場所だ。ちなみに紹介してくれたコルカタをよく知る先輩は「ただ、うまいエビカレーもあるけどなぁ。」という言葉を最後に語っていた。

そんなこんなで足を運んでみた。時刻は12時前だ。もちろん店の前には門番さんがいるしっかりしているところだ。

牛肉レストランの店内
店内では平日のお昼なのに男性二人が一組、女性2人が一組が昼からウイスキーを飲んでいた。さすがコルカタ、お酒が飲める場所でありながらそこそこ明るい。

oly pubのメニュー
店内が良く見えるように一番後ろに座りメニューを拝見する。よくわからないので店員さんに聞くとこの「Chateau Briand」がビーフステーキだという。ちなみに帰ってから調べてみた。

すると、シャトーブリアン!じゃないか。
って、聞いたことあるけどよくわからない。とりあえずウィキペディアに聞いてみた。

『牛のヒレ肉(テンダーロイン)の中で中央部の最も太い部分のこと(牛1頭からとれるヒレ肉およそ4kgから600グラム程しか取れない)、およびそれを使ったステーキである。
歴史
19世紀初頭のフランスの政治家フランソワ=ルネ・ド・シャトーブリアンが料理人に命じて作らせたことから、このように呼ばれるようになった。そのおいしさから、シャトーブリアンばかりを食べたという。
高級さ
最高級のフィレ肉(テンダーロイン)からさらに中心部をチョイスしたもののみをシャトーブリアンといい、脂肪が少なく、肉質に優れた最高級のステーキである。』(ウィキペディア:シャトーブリアンステーキ)

これは期待できそうだ。しかも安い。160ルピー。日本円で300円しない!

牛肉テーキと目玉焼き
待つこと、30分。運ばれてきた。んー、マッシュドポテトにグリーンピース、それに半熟の目玉焼きまで付いている。さすが欧米人好みに仕上げているんだろう。コストパフォーマンスムッチャ高いんじゃないかという期待に胸が躍る。

牛肉、ステーキ

牛肉、ステーキ

そして切ってみた。大分切りにくい。そしてまるでハンバーグのような肉が出てきた。味の方は、確かに牛肉であることはしっかり確認した。決して上等な部類の牛肉ではない。日本で様々な牛肉を食べている日本人からは、肉質に優れているとはどうしても思えない。聞いたところによるとこの牛はインド国産のものでコルカタのニューマーケットに売っているものとのこと。

しかしこの背徳の味はなんだろう。多くのヒンドゥー教徒にとって神聖である牛、、、道端にいる可愛い牛、、、罪深いことをしているのかもしれないと本当に思ってきてしまった。禁断の果実を食べたアダムとイブの気持ちの100分の1がわかるかもしれない。そして私はビールを頼んだ。

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決して「最高級のステーキ』のステーキではないだろう。作っている(恐らく)インド人のコックもビーフステーキがどんなものかそこまで知らないかもしれない。牛肉食市場の中での競争もほとんどないだろう。でも日本を含む多くの外国人旅行者がインドで食事に困っているのも事実。それがこのような低価格で食べられるのだ。

ただ、私の中でエビカレーにすれば良かったのかもしれない、という気持ちもあった。何故ならとてつもないライバルが多いカレー食の中でコルカタ通が進めるエビカレーはさぞおいしいものだろうと容易に想像できるからである。

インドでわざわざ牛肉食べる必要は・・・と考えてしまった。