インド在住者が日本で受ける質問3つ
私、インドに4年半住んだ後に日本で2年間過ごした時間があった。
新たに出会う日本の人達にインド在住経験があったことを話すとよく聞かれることがあった。
何故かと思うほど同じ質問があった。3つの質問。
そして、それらの質問をする人は決まってインドにさほど興味がなさそうな人からがほとんどだった。
前置きはこれくらいにしてそのよく聞かれる3つの質問。
①インドに行くと滅茶苦茶ハマる人と二度と行きたくない人に分かれるとは本当か?
そして決まってその後に「あたなはきっと滅茶苦茶ハマった方なのね。インドが大好きなんでしょ。」と言われる。
最初は質問から始まるのだが二つ目の発言は質問というより断言されてしまう。
②インドに行くと人生観が変るというのは本当か?
この質問に関しては「あなたは人生観変わったのか?」という質問がそのまま続くことはない。
質問自体はずいぶん昔から聞かされてきた。ただ、最近になり「人生観変わるなら変えたいわぁ。」なんていう告白に続くことが増えた。
そうなるとこちらは何とも言えなくなってしまう。
③インドでは毎食カレーなのか?
これまたよく聞かれること。そして決まって「カレーばっかりで飽きないのか?」と続く。
特にインドに行ったこともなくわざわざ調べる程興味もない多くの日本人にとって、それでもちょっと気になるインドの噂が上の三つなのだろう。もはや都市伝説と言えるかもしれない。これらの質問の答えよりもその質問が出ることそのものを考えてみたい。
・好き嫌いが顕著に分かれるのは日本と全く別の世界であるというイメージがあるからだろう。
たまたまその違った世界を楽しめれば好きになるし、受け入れられない人は嫌いになる世界である。
・人生観が変わるのはその違った世界の中でも、インドは特に何かとんでもなくとてつもない世界である。
自分の根本的な世界観・人生観までも揺るがされる世界であること。
つまり、インドは日本と全く別の世界であり、且つそれはとてつもなくとんでもない世界である。
そしてそこではいつもカレーを食べている人たちがいる。
これが多くの日本人のインドイメージなのかもしれない。
要するにこのイメージは先入観というもの。先入観は多かれ少なかれ誰しも持っている。
ただ、イメージが強く過ぎて実際にあるものを見なくなるとしたらそれはもったいないし偏見につながるかもしれない。
例えば、インドが日本と違うというイメージを持ち過ぎていたら日本と変わらない、もしくは近しい何かは視界には入らないかもしれない、と。
ともあれインドに限らず異国に行く際は最初のイメージが壊れる方が面白いのは間違いない。