父から離れてインドまで~息子視点でのヨガによる親父の変化~
皆さん、こんにちは!
ヨガスタッフの木村です(^^)
日本も梅雨の時期に入りましたね!
日本にいるので春を感じられるかな~なんて思っていたのですが、
春はどこへ・・・
さて、今回のブログは、インタビューシリーズ最終回です。
70歳でヨガを始めた父を側で見ていた坂本さん本人へインタビュー!
実は、以前も坂本さんへはインタビューしています。
そもそも、坂本ってだれ?と思う方もいらっしゃると思います。
坂本さんが誰なのか、こちらの記事から、わかると思います(^^)
認知症の疑いがあった坂本さんのお父さん(幸いにも疑いですみました)。
(実は、ヨガが、認知症の予防にもなりうるという研究結果があるのです)
以前は瞑想を教え始めた時は、ほんの数秒で席を立ってしまったと話していましたが、
今は全く違うようです。
その変化も著しく…!ぜひ、これは皆さんにも聞いてもらいたいということで
インタビューしましたので読んでみてください(^^)♪
息子から見る70歳でヨガを始めた
父の変化について
以前のお父さんのブログを見てどう感じましたか?
「脳が変化する」という表現が面白いと感じましたね。
『ヨガをやる時は息子が先生として、リーダーとして前に立ってやってくれてる』との発言ありましたが、以前の父ではそんな事有り得なかったです。ヨガだけでなく、苦手なことや自分が上に立てるようなことでない限りは、何かをすることを嫌がっていたので。
すんなりと「息子が先生」という言葉が出てくることにとても驚きました。
ヨガを始める前のお父さんの印象をお聞かせください
ヨガに限らず、自分が苦手そうなことや得意でないことは避けていましたし、自分に勝てない勝負はしないタイプでしたね。兎に角話を聞かず、まず自分の話を聞けという感じで。しかもこれがまた「飯が不味かった」「昼に食べた蕎麦は酷かった」とか、仕事の愚痴とか。そんな話ばかりをしている親父だったんですよ笑。
自分が話を聞く立場にならざるを得ない時は、聞きたくないオーラ満載で、聞いて価値があるものなのか?質問に沿った答えなのか?良いか悪いかを自分の物差しでジャッジをして、そんなジャッジで悪いと判断した場合は「そんな話いいんだよ!」と遮ってしまう。昔は何かと厳しい目で物事を見ていました。
最初、お父さんがヨガを始めた時は何を感じましたか?
数年前、父に認知症の疑いがあった時期があったんです(実際は疑いで終わりました)。そこで、母にヨガを始めることを訴えられて、最初は嫌々で仕方なく始めやらされている感が満載でしたね。アーサナやストレッチなど身体からのアプローチとして、やらないよりはやった方がいいか、ということで始めたようです。
僕自身も、以前一時帰国をした際に「瞑想やってみようか。」と声をかけたことがありました。その時はものの15秒で逃げられましたからね。(笑)
ヨガを始めてからお父さんは変化していますか?
確実にいろいろなところが変化してますね。
今では毎朝30分の瞑想を一緒に続けています。今ではなんと、この時間を楽しみにしてくれていて、「人生を振り返る有難い時間を与えてもらっている」と何度も言ってくれるんです。いや、あり得なかったです。今思えば、昔は、僕自身も父がヨガをやり始めてくれることや、「やって良かった」と言ってくれることを期待していたんです。
逆に今はそんな期待はなくて、やってもやらなくてもどっちでもいいと思って声をかけました。期待がなくなると物事が進むというのは時にあるようですね。ともあれ、父の変化には家族皆で驚いています。
外見・見た目の変化
ある朝の瞑想後、僕が父の表情を写真に撮ったんです。見せてみると、その表情の変化を本人は気付いていないようでした。でも、僕と母は「親父、こんな表情もするんだ・・・」と。知らなかった表情を見て驚きました。目が笑っているというか。今思えば、瞑想を通して自分の短所を見つめ「いかに頑固に奢ってきたか」ということに父が自分で気付いた時から、特に表情の変化に繋がっていったような気がします。
内面・性格の変化
元々感性が鋭いのもあるのか、ある時アーサナをしていて開脚している時に「股関節は腸腰筋と関係してるんだね」とか、「ここの筋肉が突っ張っているから硬いんだね」とか、ちょっとずつ身体への興味や好奇心が出てきているのを感じました。
また、父が瞑想して人生を違う角度から振り返る中で、驚くような言葉がでてきています。
「今まで話の内容で人をジャッジをしてきたけれど、その人の話を全体的に聴くということは、良い悪いではなくて、全体を受け入れるということに何か意味があるんだなぁ。」
「生きるということに怠けていたよね。」
「どれくらいあるかわからないけど残された人生、真摯にピュアに生きていきたい。」
そんな時は特に表情も柔らかくなっていて、一生懸命に語る姿が変な話年下の高校生や中学生のような透明感を感じるから不思議でした。
その他にも、母もよく言うのですが、父が発言する気付きの内容がすごく興味深いですね。
時々「悟り」に近いようなことを言い出すのです。
「自分の心を見つめていくと、奥深くにはピュアな意識があると思うんだよなぁ。まだまだそこには到達してないけど。」
とか。それってある意味「魂」的な話で、実際にヨガ・スートラ(ヨガの教典)の中にも魂の別名として「純粋意識」と書いてあります。父はヨガ・スートラを読んだことはないですし、昔は「魂とか怪しいから嫌なんだよね」なんて言っていた父がそんなことを口にしていて、母もハッとして、「悟りはお父さんの方が近いかもね」と、40年ヨガをやってる母が言うわけです。互いに刺激をし合って、私もそこに混ぜてもらい、そういうのがあるなと感じます。
どのような過程で変わっていったと感じますか?
家族3人で瞑想をやり始めるようになったのと親父ヨガに参加してからですかね。母は伝統的なヨガをしてきた人なので、母が父にヨガを教えていた時は、アーサナと基本的な瞑想を繰り返してきたようなのですが、僕から見ると父がそれに飽きているように見えました。
父自身に確認したところ、やっぱりあまり集中できていないということだったんです。「瞑想も色々あるよ」と声を掛けたら「じゃあやってみようか」と興味を持ってくれて。父が徐々に瞑想を楽しみ始めた頃に、アーサナも楽しみ出したりだとか、父の頭が柔らかくなり始めたなという時に、身体も柔らかくなってたりしたので、身体と心が連動しているんだなぁと感じました。
親父ヨガでは素敵な仲間達の授業を楽しみにしています。こちらは家族と違うので適度な緊張感を味わいつつ、でもリラックスして眠くなったりもしているみたいです笑。
お父さんが変化されたのを見てどう思いますか?
あそこまで頑固だったのが、急速に素直に吸収できる様になったことにびっくりしますね。自分の欠点や非を認めたり、それを自分から言える様になるというのはすごいことだと思います。素直に自分の知らないことも吸収しようとしている父の変化を見て、人間はいくつになっても学んで、一歩でも前進していこうとする力を持っているんだということを見せてもらった気がします。
今後お父さんにはどうあって欲しいですか?
周りが驚くほどの速さで穏やかで柔和になった父ですが、おとなしくなってしまうことではない気がしていて・・・それはそれで父の中に元々あったものなので勿論良いことで、穏やかさも活かして生きて欲しいとも思います。ただ同時に違った意味でもうひと暴れして欲しいとも思います。感性も鋭いし発言も面白い。ヨガを教える側になったり、今も学んだ日本語教育を実際にインド人に教えています。そんな風に新しいことにチャレンジして、ある意味暴れ方は違うけど、暴れる父であって欲しいと思いますね。
父がヨガを始め家族関係について変化したこと
一緒に暮らすお父さんがヨガを始め変化されたことで、
坂本さんご自身にも何か変化したことがありますか?
1つ目は、家族が変化しました。家族皆んなそれぞれが好きな様に生きてきて、僕が14年前にインドへ移りヨガに携わるようになってから、まず僕と母との会話の内容が変化していきました。その後、僕が帰国して実家に帰ってきてから、父ともヨガや瞑想を通してシェアリングができる様になりました。父が変わったことで、家族の在り方や雰囲気が驚くほど違っていると思うんです。
僕自身ヨガを広める活動しながら、個人に対しての変容のお手伝いをしてきたんだと思うんです。でも、個人単位も大事ですが、、「家族」という単位でも変容が起こっていくものだということがわかりました。
逆の話で、インドにヨガ留学をしに来た方が違った自分を発見し生き易くなったことを感じても、帰国して家族にシェアしようとしても否定されてしまう。そうするとガーっと昔の自分に引き戻されてしまうと。こんな話は頻繁に聞いていたんですよ。そう考えると、満ち足りて穏やにあり続けようとしたら、家族という単位でも変容していかないと、戻されてしまうことがあるんだなぁと。
更に言えば、個人・家族、そして職場や所属する団体の3つのフェイズくらいから考えていくことは大事なことだと感じさせてもらいました。
2つ目は、70歳という年齢で、未だかつてない程の速さでこれだけの変化ができるということから、どういう人と「変容」ということを共有していきたいか、ということも広い範囲で大事なんだろうなぁと思いました。「いくつになっても変われる」ということ、生涯教育なんて言葉もありますけど、僕自身もずっと変化し続ける人生を歩みたいなぁと、父から教えてもらいましたね。
親子関係にはどんな変化を感じますか?
親父に対しては、昔と比べると今の方が接し易いというのは断然ありますね。(笑)
正直、昔はどこかしら憎んでましたね笑。頑固で頭の硬い親父みたいになりたくないと思って生きてきて、結局そんな短所を僕も思いっきり引き継いでしまっていました。それも親父のせいにしてた時期があったり、そのことで人生の中で苦しんだこともありました。今は全然違ったコミュニケーションが出来ていて楽ですね。
今年70歳になる親父で、これは本人も言っていたことですが、死ぬ前に自分の人生を総括出来ているのはありがたいことだ、と。息子としても良かったのではないかと、見てて思いますね。
頑固のままの親父で生き続けるよりは、どっかで色々な角度からの自分を見つめて振り返る時間があって良かったと思うし、僕自身もそうやって死んでいきたいですね。今では親父に対して憎しみもなければ憧れもなくて、家族と言えど別々の人間であって。それぞれ居るべきところで咲けばいいのかなと。
毎朝家族揃って瞑想をしていて、その時間は濃くて楽しい時間を過ごせている。かと言って、それ以外の時間は皆んな自分のことで忙しいのでさらっとした会話しかしないし、面白い関係だなと思います。
息子の立場からご両親を見た時に、
夫婦関係にはどんな変化はあると感じますか?
以前の両親は小さな言い合いが多かったです。今も完全になくなったわけではないですが、全体的に緩やかな炎になり、長続きもしなくなりましたね。
元々父は自分を批判されると傷つきやすいところがあり、そこを刺激されるとまた更に大声を出していました。一方で母は自分に自信がないところがあり心配性で、そこを刺激されると感情的になり、結果言い合いになることが殆どでした。
瞑想を通して、父や母が幼い頃にどんなことを感じていて、何に対して苦しみ悩んでいたのか等を聴くことで、人格形成がどうされてきて今の自分に至るのかとか、「無意識だったよね」だなんて話もしています。そういった家族間でのシェアを通して、なぜ言い合いが起きているのか?自分のどういうところが感情的になっているのか?など自分の中で起こっていることへの気付きが、その都度増えているのだと思います。
一生懸命自分を掘り下げて、シェアして、それを互いに真剣に聴き合う両親の姿から、時に小・中学生のような真摯な眼差しを感じることがあります。母も「出会った頃のお父さんみたい」だなんて言ってたりしていて、年齢が戻っていってるような。
最近ではよく二人で散歩にも行くようになり、しっかり人の話を聴くことが大事なことだとわかってきたからなのか、日常生活に浸透させている感じはありますね。
家族全体としての関係の変化は?
基本的には昔も家族仲は良かったですが、とにかく皆んな酒飲みで怒涛でしたね。
御飯時にはグラスがいっぱい並んで(笑)盛り上がるけど、皆んなが交感神経が高めで勢いよく食べて、誰かが話していても聞かずに、まるでマイクの取り合いみたいに喋って、なんなら人のことをけなしたり、人のマウントを取って笑いを取るとか、人の性格の粗探しで盛り上がったり、そこに本質的な話はなく、出来事ばかりの話だったりだとか。ちょっと水や醤油をこぼした時には、父が踏ん反り返って大声で怒っていたり・・・疲れちゃう感じでした(笑)
そんなのが瞑想を含むヨガを通じて、今まで知らなかった自分を知っていきます。更にそれを言葉という形にしてシェアすることで、自分のことを家族にわかってもらえるし、家族のことも同時にわかる。有機的な繋がりというのが生まれたのかなと感じます。変化というか、要らないものが削ぎ落とされて、元々あったものが奥底から出てきている、というイメージでかもしれないですね。
家族なので色々な影響を受け合って、生物みたいに変わっていく感じはおもしろいですよね。個体個体で家族の中で揺れ動いて、変化を互いに促しているような。動物は、手と足が全く別ではなく、手が動くことにより足にも刺激があるように有機的に存在していていますよね。手は手、足は足、胴は胴だけで存在しているわけではないです。全て繋がっていて、有機的な結合として刺激を伝え合ってるみたいな。家族というシステムに手を加えることでより良い関係性というのがあり得る気がしています。
人生100年時代と言われる今、息子の立場としたら、まだまだご両親には活き活き過ごしていて欲しいものです。
10年後はどんな家族としてありたいですか?
狭い家族で言うならば、10年後は娘が13才になるので、親子三代でシェアなどをしたいですね。
広いところでは、狭い家族とたまに家族に殉ずるような仲間たちや、今後ご縁があって仲良くなっていく人たちもそうでしょうし、そういった広い意味での家族間で気づきなどをシェアをする機会や場所も作りたいと考えています。狭い家族も広い家族も、色々なメンバーが入れ替わり立ち替わりで、父の世代も、僕の世代も、娘世代も刺激し合うような、そんな場所や関係性があったらいいなぁと思いますね。
自分の娘にも、モデルとなるのは必ずしも親でなければいけない訳ではないと思うので、色々な人と出会い関わって、尊敬する人がいるならばその人から学びなさいと言ってあげたいです。僕や妻がモデルとなって指標とならなくては!ってのはしんどいので、僕が紹介できる人は紹介するから誰かから学ぶか、自分で決めてくれって。
そんな場や関係性を作る、ミニチュア体験が今の瞑想会なのかもしれませんね。
以上、坂本さんへのインタビューでした!
坂本さん、ありがとうございました!
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70歳過ぎてからヨガを始めた坂本さんのお父様。今は、坂本家がヨガハウスと
なっているとのことです。
それぞれが始めたヨガというツールで、家族がどんどん変化してく。
家族同士、互いに幸福感を感じながら生活するのって、どんな感じなんでしょうね^^
おやじヨガは事前にカウンセリングをして不安や不明な点を伺って、
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